足関節

保存版! 衝撃。足関節捻挫に対する珠玉のエビデンス

本記事のポイント!

受傷早期から、固定するよりも機能的サポートと運動療法を

RICE treatment is over.

実体験としては、シグマックスのサポーターがとても良さそう

 

足関節捻挫への対処、実践編!!

結論から述べますと、今回は、保存版記事です。

 

前編である前回記事では、

足関節捻挫の危険因子予後規定因子、そして診断について

多くの知見を述べてきました。

足関節捻挫に対する知見のアップデート 足関節捻挫に対して、皆さんはどのような対処を行っておられますでしょうか? 先日、ランニング中に不整地にて、 足関節をまあまあ...

 

そして後半は、衝撃が走ります。

 

足関節・捻挫をご専門とされている方々には

もう周知の事実なのかもしれません。

 

しかし門外漢の私にとっては、

本論文を読んだときは、

常識というベルリンの壁が

崩壊していくさまがありありと、脳裏に浮かびました。

これまでの、従来型の治療を覆す情報が多く

読んでいてとても気持ちよかったです 笑

 

お子さんがサッカークラブに入っている方など、

捻挫が比較的多いスポーツをしている人が周囲にいる方は、

決して知っておいて損がない情報が盛り沢山です!

 

 

セラピストですから、

医師による適切な診断を受けた後の後療法につきましては、

依頼されたバトンですので、

 

しっかりと効果・エビデンスのあるものを提供していきたい

ですよね!

 

さてさて、だいぶハードルを上げてしまっておりますが、

実際読んでみたら、

大したことないやん~

って思われたら、大変申し訳ありません。笑

 

今回ご紹介させていただきます文献も、

足関節捻挫の診断、治療、予防:エビデンスに基づく臨床ガイドラインのアップデート

というタイトルのものを、ポイントを絞ってお伝えします。

 

それでは、従来の常識をひっくり返すべく、

内容をcheckしていきましょう!!

 

足関節捻挫の診断、治療、予防:エビデンスに基づく臨床ガイドラインのアップデート

治療

RICE処置

RICEの組み合わせによる治療の有効性は疑問が多い

 

限られたエビデンスによると、急性LAS関連症状に対する

 

寒冷療法の効果は不明瞭である

(33RCTn=2337) (レベル1)


      (↑こんな治療じゃないよ)

 

     (↑もちろん、こっちだよ)

 

寒冷療法と、(標準型値機能的治療に対して)過重量増加を

許可しながら運動療法を組み合わせれば

短期的に足関節機能を有意に改善する

(1つのRCTn=101) (レベル3)

 

急性LAS後の圧迫処置による治療効果は、結論を出せない

(3つのRCTn=86) (レベル2)

 

(疼痛、腫脹、患者機能に対しては)個々のRICE処置の有効性は

乏しいが、

寒冷療法と運動療法の組み合わせについては有効である

 

RICE処置単独の使用は勧められない(レベル2)

 

 

NSAIDs

自然治癒過程を遅延させる可能性がある

 

疼痛や腫脹を軽減させることを第一の目的とするなら、

NSAIDsの使用は選択肢となりうる

 

しかし自然治癒を阻害したり遅らせたりする可能性があるため

注意が必要である

 

固定

急性LASに対する最低4週間の固定は、

4-6週間の機能的サポートと運動療法戦略と比べて

よくないアウトカムとなる

(22 RCTn=2304) (レベル1)

疼痛や腫脹の治療のために固定を必要とするならば

最大でも10日までとし、機能的治療を行うべきである(レベル2)

 

機能的治療
 機能的サポート

 

  固定と比べて4-6週間の機能的サポートは

 良好なアウトカムとなる

 足関節のブレースが最も良い効果を示した(レベル2)

 運動療法

 運動療法は、神経筋エクササイズおよび固有受容器

 エクササイズなどを行う

 

 急性LAS後早期からの運動療法の有効性が示されている

 

 再発の減少(10RCTn=1284)

 機能的足関節不安定性の減少(3つのRCTn=174)

 早期の機能回復などに効果がある(レベル1)

 

 中等度の症例と比べて、重度の症例では監視下での

 運動療法により他動関節可動域には良い効果があった

 

 さらに監視下での運動療法により

 足関節の筋力、固有感覚、早い復職・スポーツ復帰などに

 いい影響が見られた

 

 徒手的モビライゼーション

 

  徒手的モビライゼーションにより急性LAS後の足関節

 背屈可動域において短期効果が認められた

 (12RCTn=427)(レベル1)

 

 さらに疼痛軽減の効果も認められた(レベル1)

 

 運動療法と組み合わせることで、運動療法単独よりも

 良い効果が得られた(レベル3)

 

手術療法

手術療法の方が機能的に良い成績である傾向だが

全ての患者が必要なわけではない

 

不必要な手術をさけることで、合併症を避けることができる

(レベル1)

 

プロの選手では、より早い復帰ができることから

手術療法が好まれる

 

 

予防

       (Vuurberg G et al., Br J Sports Med. 2018より引用)


機能的サポート

テーピングおよびブレースのいずれも、

LAS再発予防に有効である

(初回発症予防にも有効) (レベル1)

 

選択については、個人の好みに基づくのでよい

 

 

運動療法

LAS再発予防のために、初回受傷後なるべく早期から(特に

アスリートにおいては)運動療法(具体的には協調性・バランス

トレーニング、神経筋トレーニング、固有受容器トレーニング)

開始することが推奨される

 

ホームエクササイズ、日常トレーニングにおいて行う必要がある (レベル1)

 

 

フットウェア

シューズ等に関するエビデンスは不十分であり、推奨事項はない

 

 

復職

職場への復帰を加速するために、復職へのスケジュールを併用した

ブレースの使用と受傷直後からの機能的治療が提言された(レベル3)


       (Vuurberg G et al., Br J Sports Med. 2018より引用)

 

 

スポーツ復帰

近年のエビデンスでは、監視下エクササイズの方が

より早い復帰につながるとされており、

推奨される(レベル1)

固有受容器、筋力、協調性、機能面などにフォーカスを当てた

監視下での運動療法により、

より早期のスポーツ復帰が見込まれるため推奨される(レベル1)

 

 

費用対効果

 損傷での費用

 大半の患者は監視下でのリハビリテーションを受けていない

 それにより症状が慢性化し、その後の医療費増加につながって

 いる可能性がある(レベル3)

 

 結論としては、適切な治療と予防を講じていくことで、

 個々人への恩恵ならびに医療費抑制の効果があると考えられる

 

 

 診断

 OARは足関節捻挫後の骨折を診断するために有効で、

 費用対効果の面でも信頼性が高いツールである(レベル3)

 

 

 治療

 機能的治療は費用対効果の面では十分な研究がない

 

 semi-rigidのブレースはテーピングと比較して費用対効果の

 高い選択肢であり、推奨される(レベル3)

 

 

 予防

 予防の措置を行っていくことは費用対効果が高い(レベル3)

 神経筋トレーニングとブレースは予防として有益であることが

 証明されている(レベル2)

 

 テーピングよりも神経筋トレーニングのほうが優れている

 神経筋トレーニングは臨床的にも恩恵があるため、

 ぜひ検討すべきである(レベル1)

 

考察

  急性LAS後では、骨折を除外するために高い感度・特異度がある

  OARを使用する

 

  その後、運動療法および機能的サポート

 (テーピングまたはブレース)を使用することが(固定よりも)望ましい

  (短期間の固定ならば疼痛・腫脹の軽減のみの観点からいえば

   有用)

 

  モビライゼーションと運動療法を併用していく

 

  シューズ・ウェアや振動刺激・電気刺激に関するエビデンスは

  なかった

 

  BMIが低いと初回足関節捻挫のリスクが高まるようであった

 

  一方、

  BMIが高いことは持続的な症状の遷延ならびに不完全な回復の

  予後規定因子のようであった

 

  多くの人は足関節捻挫により受診するわけではないため、

  選択バイアスがかかっている危険性もある

 

  LAS後の「介入しなかった場合」のアウトカムは不明確である

 

  このガイドラインに対する認識は、今後の科学的出版物・提唱、

  学会、各専門団体の間で討議し意識を高めていく必要がある

 

 

今後の展望と研究

本アップデートにより、前回のガイドラインでは行えなかった

メタアナリシスが可能であった

 

全てに対して行えたわけではなく、いくつかの推奨事項では

RCTのエビデンスが十分ではなかったものもある

 

各引用文献の詳細も、気になります

いかがでしょうか。

Vuurberg 先生らによる、素晴らしい論文でした。

 

なんという、衝撃のエビデンスの数々

 

 

過激な言い方になりますが、

こと足関節捻挫に限っては、

RICE処置などはもう、時代遅れということになるでしょう。

 

Rest(安静)はもはや、害と言っても過言ではないかも

しれません。

 

Icing(アイシング、寒冷療法)は効果はあやしいが、

運動療法との組み合わせであれば、良いということでした。

 

Compression(圧迫)についても、

86名を対象とした3つのRCTでもって

結論が出せないということは、

絶対的な効果があるとはいえないようです。

 

Elevation(挙上)については、

もはや本稿では個別には触れられてもいません 笑

 

 

本論文を見つけた半年前くらいまでは、

 

私自身も、

一般的な重篤でない急性外傷の対処方法・応急処置は

RICE一択だと思っておりましたが、

 

エビデンスは時代とともに変わってくるということを

実感した論文でした。

 

 

その他、

●NSAIDsの非必要な使用を避けること、

固定には疼痛・腫脹に対する効果はあるものの

  どちらかといえば早期から動かすほうが良いこと、

初発ないしは再発に対する予防の知見の数々

 

どれも大変参考になりました。

 

 

次回、ブログ1周年となる101日公開予定の記事では、

 

こういったトレンドをわかりやすくまとめた記事を

掲載する予定ですので、

 

皆さまどうぞお楽しみにされてくださいませ。

 

 

記述事項をそのままうのみにはされないでください、
臨床応用は自己責任で

本記事のlimitationといたしましては、

 

毎度のことで恐縮ですが、

さすがに引用文献・各RCTを、

個別に詳細に読んでいるわけではないため、

 

もし原文をいくつか読まれているようなご専門の先生の方で、

上記内容が課題解釈しているぞ、というような

 

コメント・アドバイスがありましたら、

ぜひお願いいたしますね。

 

 

あまりにも興味深い情報が多かったので、

周囲のスポーツサポートに携わっている方々数名にも、

内容をシェアしてきました。

(当然の反応かもしれませんが、賛否両論ありました)

 

 

“RICE treatment is over.”

(RICE処置はもう終わった)

 

日本の現場にこの考えが普及するまではまだいくらか時間を

要するのでしょうが、

 

少しでもいい情報は拡散し、

私のように、不幸な後遺症(CAIなど)が残らないかた

増えてくると、いいですね。

 

 

読者の先生方で、もし今回のような

従来のパラダイムを覆しうるようなエビデンス

ご存じの方がおいでましたら、

 

ぜひ皆でシェアしていきたいと思いますので

教えて頂けましたら幸いでございます。

 

わたしの足関節捻挫のその後

ちなみに先日受傷した

わたし自身の足関節捻挫の状況ですが、

 

対策として、

国内大手医療機器メーカーである

日本シグマックス株式会社が取り扱っている

足関節のサポーターを

いくつか入手しました!

 

ここぞとばかりにいくつかの種類を

いろんな場面で着用してみています(^^)

 

「サポーターのような機能的ブレースなんて、

 気休めみたいなもんやろ~!」

と思っていましたが、

思いのほか、めっちゃ安心感があり、良かったです。

 

 

皆さまも、自分自身、あるいは周囲の方で捻挫したケースに

でくわした場合は、

シグマックスが、多くのいいサポーターを

取り扱っているようなので、

 

ぜひ使ってみてくださいね!

https://www.sigmax-med.jp/medical/products?cat=supporter#result

(SIGMAX websiteより引用)

 

今回お示ししましたように

機能的ブレースはエビデンスもあるので、

私のようなCAI(慢性足関節不安定症)っぽい方は、

しっかりいいものを購入して、

普段から着用がマストですな!

 

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quoted from

Vuurberg G et al., Br J Sports Med. 2018 Aug;52(15):956.

“Diagnosis, treatment and prevention of ankle sprains: update of an evidence-based clinical guideline.”

Pubmedリンク

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29514819

キーワード

ankle sprain; cost-effectiveness; guideline; inversion trauma; sprain prevention

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